空を散歩する


となると誰が?


それは気になるところ。実は、胸がドキドキしすぎて、


わたし、立てないの。


だって初めての告白ですぞ。しかもクラス中、明日には学校中に知れ渡るだろうし。


でも気になるのが、乙女心というやつ。


ガバッ。


勢いよく立ち上がり、ヒューヒューとはやしたてられる花道を駆け、


ゴクリ。


つばを飲み込み、廊下に出ると、そこにいたのは……。


「え?誰?」


思わず本音が漏れる。


そこに立っていたのは、なんとも冴えない男。背だけは高いが、ふつーの黒髪に黒ぶちメガネ。それなのに、どこかで見たような?


「三年の神木泰男だけど」


「神木……」


ああ!


心の中で合点がいった。


学校一の秀才、神木様だ。


で、神木様がわたしに、告白ぅー?



< 2 / 54 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop