空を散歩する
・降水確率100%

・わたしのせい!?



月。星。流れ星。


なにも見えない。


黒い雲が空を覆いつくし、激しい雨音が聞こえるだけ。


ずっと雨が降っている。


梅雨でもないのに、ここ数日の冬の雨は、記録的な雨量だった。


「フゥー」


大きく息を吐き、屈んで疲れた腰を何度か叩く。


眼鏡を外し、瞼の上から指で指圧する。


雨は疲れる。


晴れていれば、いくら覗いても苦にならないのに。


今日は諦めて、望遠鏡を片づけることにした。


いくらなんでも、


雨の日に飛ばないだろう。


それにしても……。


俺(神木泰男)は、2つのことを思い出していた。二つの沢村雪乃の顔を。


一つは、


「空、飛べるよね?」


「な、なに言ってんの?意味わかんない!」


動揺して走っていく後ろ姿。



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