おかしな話だ
ベテラン議員
2010年8月

参議院予算委員会に先立って

一人のベテラン議員が

勤続30年表彰を受けた。

錦戸正一郎、58歳。

1952年、山口県の大物地主の家庭に生まれ、

名門・帝政大学を卒業。

建設省(現国土交通省)の官僚を経て

1980年の参議院選挙において

民新党から出馬し、初当選を果たす。


議員となってからの30年間、

錦戸は政権与党であった民新党に身を置きながら

1度も入閣せず、党の何らかの役職に就くこともなかった。

しかしながら、彼の歯に衣着せぬ発言と

与党議員でありながら政府と官僚の癒着体質を厳しく糾弾する政治姿勢は

多くの国民の支持を取り付けた。

前年の衆議院議員選挙において55年ぶりに民新党が下野してからも彼の政治姿勢は変わらず、

質問に立てば激しい論戦を繰り広げた。


今回の表彰を受けて錦戸議員は

「これはあくまで通過点に過ぎない。官僚依存の政治が完全に終息するその日まで、私の政治活動は続くだろう。」とコメントした。










おかしな話だ。
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