先生に囚われて
胡桃の瞳はキラキラというより、ギラギラだ。


「へー、イケメンかぁ」

「薄っ!反応薄いよっ」

肩を掴まれ前後に揺すられて、履きかけの上履きを落としてしまった。


「はいはい、すいませんねー」

謝ったのにまだムッツリと不機嫌そうに視線を送ってきた。

そんな目で見られても……興味ないんだもん。


「で?イケメンがどうしたの?」

「来たの!来た、来たっ!!」


イケメンの話題を返せば、機嫌は一気にうなぎ登りだ。

反応が素直な胡桃は裏表がない性格で、明るくて可愛い。



「今日から来る先生がねっ、若くてすっごいイケメンなんだよ!!」


「やばい、やばいっ」と繰り返す胡桃を置いて、教室へと続く階段を昇る。


「それはよかった。頑張って先生と仲良くなれるといいねー」

適当に相づちをうちながら2人で教室に行く。

嬉しいことに胡桃と今年も同じクラスになれた。


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