先生に囚われて
「っ……、バカじゃないのぉ、りぃ君もおじさんも校長先生も……みんな、こんな私のために〜っ」

さっきようやく止まった涙が再び溢れてきた。

今度は嬉しい涙だったけど、今日は泣きすぎて明日はきっと目の周りが赤く腫れるだろう。


煙草の火を消したりぃ君が、空いた手でやっぱり私を引き寄せて抱きしめてくれた。


「そうだな。お前以上にバカな大人ばっかりだ」

「ふぇ……っ、う〜」

「みんな、お前が可愛くてしょうがねえんだよ」

「……っ」

「俺もな」


背中をトントンと優しく叩いて、子どもをあやすように動かすりぃ君の腕だけを感じていた。


自分の知らないところで、誰かが自分のために動いてくれていたなんて。

それが、こんなに嬉しい気持ちになれるなんて。


……なんて幸せなことなんだろう。

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