先生に囚われて
解けて甘く溶ける
「そういえば、なっちゃんは?」


結局りぃ君のお家にそのままお泊りすることになって、お風呂上がりに無糖の炭酸水を飲むりぃ君に声をかけた。


「はぁ?那鶴?」

「うん、なっちゃんは私がここにいること知らなかったよね?」


勉強もだいぶ出来たし、そろそろ寝ようとノートを片付けながら冷蔵庫の前にいるりぃ君に聞く。


「りぃ君が私のいる高校の先生やってることも知らなかったの?」

「ああ、それな。あいつはうるせえから、歌をこっちで見つけたことも俺が教師やってることも全部言ってなかった」

「そ、そうなんだ……」

何というか、なっちゃん……ごめん。


「りぃ君がこっちに引っ越すことになった理由、なっちゃんになんて言ったの?」

「転勤ってことにした」


なんとも無慈悲な対応。

なっちゃんの話題は大して興味がないらしく、ペットボトルを空にすると大きく欠伸をしながらダルそうに言葉が返ってくる。

< 220 / 282 >

この作品をシェア

pagetop