女子高生名探偵の事件簿
そして、事件は始まる・・・。
『そして、又新たな恋が始まった・・・。』

「坂井センパイ。かっこよすぎー。」
ヒカルは又恋をしてしまった。塾のセンパイ。坂井義人サン。
「成績優秀。スタイル抜群。非の打ち所もないわねぇー。」
「それは、あくまであなたの趣味で。でしょ・・・。」
夢現なヒカルを横目で見ていたユミの感想は冷ややかだった。
「でもユミちゃん。せっかくのヒカルちゃんの恋だし。応援してあげようよ。」
リサがユミをなだめた。
行動派。体育会系でリーダー的存在のユミ。知能派。おっとりしていてとってもやさしいリサ。そして、ナニをするにもたいしたとりえのないヒカル。まったく統一性のない三人だったが、不思議と入学当初から仲が良かった。
「で。ヒカルは何か作戦立てたの?」
ユミがため息を吐きつつ話を続けた。
「それがね。今度、坂井センパイの参加する天体観測同好会で、冬の観察会がひらかれるのよ。」
ヒカルはかばんのなかから、手作り感あふれるチラシを取り出した。
「へー。面白そうじゃない・・・。」
ユミがチラシをひったくった。よこからリサもひょっと顔を出す。
「大好きな人と天体観察なので、すごくロマンチックになるね。」
リサがキラキラした目でヒカルを見つめた。
「そうでしょ。こういうロマンチックな舞台が用意されてこそ、ふたりの仲も縮まるのよ。」
ヒカルがもっともらしく腕を組んだ。
「天体観測ってのが良いな・・・。リサ。あたし達も行かない?」
ユミがリサの肩をたたいた。
「えー。あたしと坂井センパイの二人っきりがよかったのに・・・。」
ヒカルが口を尖らせた。
「ヒカル。ふたりっきりなワケがないだろ。」
ユミがチラシをばさばさとやった。
「ヒカルちゃん。私いってみたいな。邪魔しないから・・・。」
リサが満面の笑みを浮かべる。
「う~ん。」
ヒカルはうなった。

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