また、恋する
あたしはそれをゆっくり解いて軽くキスをした。
「引き留めてくれなかったじゃない」
「君に他に好きな人が出来たなら僕の意志を押し付けるのは違う気がして」
「…馬鹿」
「うん。今なら分かる。馬鹿だね、すごく」
フフ、と笑って、あたしの髪にまた触れる。
「姉さんにも怒られた『早く追いかけろ』って」
それは、あの日。うん、そうあの買い物袋を提げた女の人は優のお姉さん。
優とは反対にキビキビとしてる凜とした女の人。
あたしの感覚なんて、恐ろしくあてにならない。