ぱすてる
乾いた空
*乾いた空*

人は幸せとか、すぐに言うんだ。

たいして幸せでもないくせに。

ほんの少しの幸せでそれを幸せと感じ、

言葉にする。



ある人は言う。

空を見るだけで幸せだと‥。

おかしい、絶対におかしいよ!

それは自分の見た一時的な感情でしょ?

本当の幸せとは違うよ!

絶対に。

だって・・・・・



-どお-んっ!

「あたたたあ-っ」(ベットから落ちる)

「・・だって・・・。あたしは空なんか見たって、

幸せと感じたことはない!」


彼女の部屋の窓の向こう、

乾いた空がどこまでも広がっていた。

いつものヘアースタイル。

おだんごヘアー。

こめかみがピリリと引きつるまで。

今日もいつもと同じ日がはじまる。



「おっはよお-っ!」

元気にあいさつ。

いつも気をつけてる。

机に向かっていた晴香はくるっとこっちを向いて言った。

「おはよお-!藍音。」

いつもと同じ光景、

いつもの日々。

あたしは、そんな光景に嫌気が差してくるときもある。

でもそんなことは絶対に言わない!

いつも無理してでも笑顔でいれば、

きっと幸せが訪れるんだから。

それだけを信じて毎日やってきた。

ただただ頑張ってきたの。

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