狐に嫁入り!?


揺れる木が一部ならそこだけを凝視するけど、

私を囲む木々全てが揺れ出したから、私は身体をひねって、左右も背後も確認する。


「ま……まさか……妖狐、なんて言わないよね……って!キャァ!」


ザザッと、一際大きな音がしたかと思うと狐が四方八方から何十匹と現れた。

私の悲鳴が森に響き渡る。


「な、何これ!……囲まれてるし……!無理っ!怖い!」


座っていた木の上に立ちあがってなんとか身を狐達から遠ざけようとしてみるが、狐達はジリジリと寄ってくる。


善狐と違って人型ではなく動物の狐となんら変わらない外見。

それでも尻尾の本数が3本の狐もいれば9本の狐もいる。


……どの狐も目つきだけは尋常じゃなく、獲物を狙う目をしている。
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