狐に嫁入り!?
買えるってことは人間界に帰れるってことでしょ?
もう……無理じゃん。
「おしかったね、ウタク。もう食べられないよ」
「……」
私の皮肉めいた呟きに、ウタクは無言で見詰めてくるだけだった。
「……つーかさ、結局俺の入る余地はねぇってこと?」
声の方を向くと、ナライが呆れたような顔をして私達を見ていた。
入る余地って……そんな言い方しなくても。
別に私達の間にはスキとかアイとか……恋愛感情なんて存在しないのに……
……たぶん。