命の花
 ロージリールが砂漠の国の第八王子だった頃も、よく乳母やから言われた。

 彼が生まれた日、どこからともなく花の香りが風にのって部屋中に漂い、それが王の目を引いたのだと。


 後々、王は周囲の反対を押し切り、八歳の彼を花の守り人とすることとした。
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