世界の果てに - 百年の光 -

そんなエルの態度にムッとしたあたしは、思いっきり舌を突き出した。


「べーっ、だ!あたしだってエルと二人なんか嫌だもん!」


「あん!?何も言ってねぇだろーが!」


「言ってた!目が嫌だって言ってた!」


「あのなぁ、」


「リオは、エルとだよ」


あたしとエルは一斉に口をつぐみ、アスティを見た。


…何故か、すごい笑顔を浮かべている。


「オレといるより、エルといたほうが安全だし。二人は仲良しだし」


「いやいやいや、どこをどう見たら仲良しになんだよ!」


エルの素早い突っ込みも気にせず、アスティはあたしに向かって言った。


「リオ。エルにいろいろ教わっとくといいよ。盗賊の極意とか」


「ご、極意?」


「何だ極意って!知るかそんなん!」


「じゃあ、三時間後にね」


敬礼のような仕草をして、アスティはスタスタと行ってしまった。


…呆然と立ち尽くす、あたしとエルを残して。

< 44 / 616 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop