あの子は、王子!?

少し昔の、話し




 俺は、 他の子が持っていない能力を持っていた。 少しだけ他の子供よりも、違うことが出来た。たったそれだけの事だった。それだけで、望まれた命が、望まれない子に変わってしまった。

 そんな風に他の子と違う俺を、嫌って、持て余して、殺そうとして出来なくて、捨てた。
 3歳の頃だったけど、いまだに覚えてる。あれは、寒い、寒い3歳の誕生日を迎えた日のことだった。






「あのね、あなたは今日から家の子じゃないの。だから、今日からココで、暮らすのよ。じゃあね、優輝。
 …………さようなら」



 待って、置いてかないで。オカアサン――――



 俺は、それからずっと一人で過ごした。もう、捨てられない様に…
 傷つきたくなかった。あの時、負った傷は今でも、ズキズキと鈍い痛みを伴って襲って来る。


 そんな時だったあの2人に会ったのは。

 

 あの姉妹は、ボロボロに傷付いた俺の心を優しく癒していってくれた。

 ありがとう。それしか言えない。













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