雨音


女が何1人でほっつき歩いてんの?


あぶねぇだろ。俺んち来い。



最初はこの人だってどうせあたしの体目当てで拾ったんだと思ってた。

でも全くそんなことなくてあたしを宝物みたいに大事に扱ってくれた。

これからは俺をお兄ちゃんのように思えばいい。

そういい微笑んでくれた雄哉が愛しかった。

でも雄哉はあたしを妹のようにしか可愛がってくれなかった。

だけど雄哉に彼女が出来てよく隣りの部屋からやってるってわかるような声が聞こえたりもした。

最初はその雄哉の彼女が憎かった。

でも一番大事に、可愛がってくれてるのはあたしだ。

そういわれてからなんとも思わなくなった。

それから何回も声が聞こえたりしたけど自分に言い聞かせて

我慢していた。それは段々慣れになっていって

今は雄哉が誰とやってもどうも思わない。

雄哉は本当にあたしのお兄ちゃんのようになっていった。


時々無償に抱きつきたくなったら抱きつかせてくれたし。

最初に疑ってた自分が馬鹿みたいだった。

恥ずかしすぎる。

そう思ってた。

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