雨音

馬鹿



「美華・・・良かったのかよ。あんなメール。」

「・・・あたしのことなんか最低だと思って忘れればいいの。」

「どうせお前も紅也に惚れてたんだろ?」

「うん。紅也と一緒にいて惚れない女はいないよ。」


美華は悲しそうな表情をしていた。

わざわざ憎まれ口たたいて帰ってきたことぐらいわかった。

帰ってくるまでは勝ち誇った顔してたけど

家に入って俺の顔見た瞬間

美華の大きな瞳から大粒の涙が溢れ出してきた。


俺はそれに驚き美華の涙を指ですくった。

前までは美華はそういうことされると泣いて喜んだけど

今日は喜んだ顔も見せずずっと後悔してる顔をしていた。

それから俺らはメールを打った。

美華はまた苦しみながらメールを打っていた。


思いが通っている二人を壊してしまった

俺は自分が憎かった。

紅也は何も悪くない。

ただ俺の腹いせに美華にたらしこませた。


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