おちこぼれサンタクロース



そこまでふくよかじゃないし!

目は水色だけど…まず女だし!


「……どうしよう」

「ルーシー大丈夫?
 顔色悪いよ?」

「エルー…」


エルーはあんまり不安じゃないみたい。

あたしのこと心配してくれてるし。

……しっかりしなきゃ、夢への一歩なんだから!


「大丈夫!」

「そう?ならいいけど…。
 あ、長老の話、始まるよ」


エルーがそう言ってすぐ、長老が話し出した。

長老はおじいちゃんよりも年上だけどまだまだ現役なんだって。

いつ見てもサンタ!って感じの人。

あたしたちが小さい頃、よくお菓子をもらったりしてた。

今もきっと小さい子たちにお菓子をあげてるんだと思う。


「サンタ見習いの諸君、くれぐれも気後れすることのないように。
 サンタは楽しむ仕事なのでな」

「長老!」

「ふぉっふぉっふぉ」


先生に怒られても飄々としてる長老。

器が大きいんだなぁ。

楽しむ、か。

そっか、そうだよね。

せっかくサンタになるためのテストなんだもん。

難しく考えたってすることは一緒。

なら楽しまなきゃ!


「帰ってきたら宴じゃ。
 飲んで食べて騒ぐために、目一杯働いてきなさい」

「「「はいっ!」」」



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