honey blood
セミダブルのベッドは、いつも寝てる布団よりわずかに余裕がある。



毎度のことながら蜜は背をむけてるわけで…。



「こっち向けよ…」

「ヤダよ…」

「ちょっと甘えさせろ」

「えっ!?今なんて…」

「うっせぇな…、体こっち」

「強引すぎっ!!」



素直に布団に入ったくせに。



無理矢理こっちを向かせると、顔は真っ赤だった。



その顔を見たら急に恥ずかしくなって、蜜の顔を自分の胸に押しつけた。



「疲れて…ないの…?」

「なにがだよ」

「暑かったから…だから元気なかったんじゃないかって…思ったり思わなかったり?」

「思ったわけだ。それでアイスねぇ~」

「別にそういうわけじゃ…。血はいらないのかなってさ…」

「血はいらねぇよ。そのかわり顔あげろ」

「なに?」



キスがしたい。



上を向いた蜜の体を少し離してキスした。



「紫っ…なんか変っ!!」

「ん…」

「なんかあった?」

「ちょっと黙れ…」



考えたくねぇんだよ…。


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