honey blood
紫は攻めでしょうが!!
【蜜】



あたし、紫が好きだ。



ちゃんと自分の気持ちに気づいたのは旅行の時。



それまではムカつくことも多くて、好きだなんて実感はなかった…。



『好きかもしれない』って言い聞かせてただけだろと思う。



だけど旅行を境に紫の元気がなくなった…。



いつも何かを考えてて、笑うことも減ったし…。



あの日は暑くて疲れてただけかと思ったけど、紫んちに戻ってからもずっと暗い気がする。



もしかして安藤さんに別れろ的なことでも言われたんだろうか…。



「ミッチーは年上なら何歳までOK?」

「父上、あたし息子の彼女ね…」

「俺じゃなくて。ただの参考に?」

「小説のネタですか」

「えっ、なんで知ってんの?」

「先生から聞いた」

「北斗かマリか…。せっかくワイルドパパで通そうと思ったのに」



紫はお風呂中で、居間でお茶を飲んでたら父上がやってきた。



珍しく父上とふたりきり…。



着流しの下に覗く和彫りの刺青はホンモノさんにしか見えないし…。



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