追うんだ!隼人!


ナイターの照明が小さなローズトレジャーの馬体を照らす。




皮膚の垂れ下がった老いの目立つ馬体は8歳の牡馬にしては老け込んでいる。




目元のシワがくっきりとしているのは苦労が滲み出ているせいなのだろうか。


大きな瞳はこの世の切なさを訴えているようで、馬とはいえどこか奥ゆかしさを感じさせる。


恐らくその瞳でたくさんの悲しみを見てきたのではないか…。




8000頭のサラブレットが毎年生産されている。


たかが1頭のサラブレットの人生(馬生)など…。


用が済めば簡単に捨てられてしまう。





サラブレットは経済動物だ。





だが…誰しもがそんな視点で馬を見ている訳ではない。



特に彼は…。
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・-・-・-・-・-・-・ まえがき ・-・-・-・-・-・-・ ビルやマンションに囲まれた狭い空間で生活をしていると疲れる。 普段は分からないが、我々は圧迫感を感じる空間にいるだけでストレスを感じているのだ。 ちょっとエレベーターに長く乗っていただけでも、降りた時は爽快ではないか。 窮屈さは人間にとって害である。 わたしの住む東京はまさにその窮屈さからは逃げられない環境だ。 ビルやマンションは所せましと並んでいて、子供の頃本当に『空が狭い』と感じていたのを思い出す。 そんな中、ひとりで自転車を走らせてよく通っていた場所がある。 河川敷 決して高所にあるわけではないが、東京が全て見渡せるくらい遠くまで良く見えた。 川とともに流れる穏やかな風は清々しく、心地好い。 そんな心がパッと晴れるようなピュアな恋愛ストーリーをお届けしたい。

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