手の中の蝶々
……びっくりした。
いきなりはズルい。
そう、只いきなりだったから驚いただけ。
そうに決まっている。
湯船に浸かりながら、頬が熱いのを、立ち込める熱気のせいにして。
両手でお湯をすくい、顔にかける。
あぁ、熱い熱い。
お湯が、湯気が、熱いのよ。
きっと、そう。
そして私は、髪の毛が浸からないようにと束ねていた髪の毛を、解きながら湯船からあがる。
それからは何も考えないようにしながら、忙しく洗い終えた。