明日も、キミに恋をする。
木下君はバッグの中の菓子パンをベンチの上に全部広げる。



あらためて、広げて見るとこんなにいっぱい…

たぶん10個くらいある。




「すごい量だね…」


「だって優がなに食べたいか分からんし(笑)美味しいやつ、選んで食べて欲しいやん?」




おひさまみたいに無邪気にそう笑う木下君の優しさに、改めて嬉しさがこみあげる。




「優、どれにする?好きなやつ選んでや」

「ん~……これにしようかなぁ」


 

いっぱいあって迷いながら、私はコロッケが挟んであるパンを選ぶ。




「はは!俺もそれ好き!」



そう言いながら、木下君は"メープルラテ.フレンチトースト"と袋に書かれたパンを手に取る。




「わぁ、甘そう」

「せやろ?意外と激甘も好きやねん、俺」




笑う木下君に、私もつられて笑う。

笑いながらコロッケパンを口にほおばる。




コロッケパンは何度も食べたことがあるのに、木下君と食べるといつもより幸せな味がする。




「ピクニックみたいだね」

「おー!最高に楽しいピクニックやな!」




私たちは、また笑いあう。








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