明日も、キミに恋をする。
「それなら俺もその場にいたけど……大輔はなんも悪くなかったから。…あいつなりに抵抗しとったで」



犬山くんが言う。

 

「美佳もかなり酔ってたからな……せやから大輔のあとは俺にも抱きついてたで、アイツ」




犬山くん…


犬山くんの優しさと、大輔くんが抵抗してたっていう話を聞いた安堵で、私はまた泣いた。



「…うっ…ひっく…」




――ギシ…


犬山くんはベッドに腰をかける。


そして私の髪に手をのばすと、優しく頭を撫でる。





大輔くん以外の男の子に初めて触れられて、ビクッとする。



犬山くんが深い意味なく、撫でてくれてるって分かるけど……




「ご、ごめん……頭に触れる…のは…」


大輔くん以外の人にされるのは……





「あ、嫌やった?ごめんつい癖で」


犬山くんは、すぐにパッと手を離してくれる。




「わ、私こそ…ごめんなさい……せっかく…」

「いやええよ。ってか内田さんてほんまに大輔だけやねんな」

「え?」

「そういうのすごいな。俺にはないから羨ましいわ」





犬山くんはそう言って、少し遠くを見た。




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