明日も、キミに恋をする。
その日の放課後。



俺と優は手をつないで帰る。





「今日は恥ずかしかったね…」


優は赤くうつむいて、笑う。




帰る時も俺たちは、廊下やそこら中で一緒に帰ることを色んなヤツにさんざん冷やかされた。




たった一日にして俺の

“優のことが大好きキャラ”は、他のクラスにも広がったみたいや。




俺がなぐった廊下の壁は、たまたま脆い場所やったらしく、その後確認したら少し穴があいてたらしい。


それもまた、“彼女を傷つけられた大輔がぶち切れて壁に穴まであけた”とかそんな感じで


俺と優の噂が広がる後押しをしていた。







「ゴメンな?優、冷やかされたり苦手やのに」

「ううん、苦手だけど……嬉しい」



優は恥ずかしそうに笑う。





「私が大輔くんのものって、みんなが知ってるのが嬉しい」




優……




「大輔くん、大好き」



はにかむ優に、俺の心は震える。





優……

なんでそんなに優しいねん。



俺も…俺も好きや…






人通りの少ない帰り道、木陰に隠れて俺は優を抱きしめる。


優はそのまま俺の背中に手を回してくれた。




「このまま帰りたくないな」

「うん…私も」

「ふたりきりになりたい」




俺の言葉に、優は俺の腕の中でこくんとうなずく。





そういえば……朝、先輩にカラオケに誘われたな。





「優、今からカラオケとか行かん?」




もちろん、先輩に会うためやなくて

ふたりきりになるために。




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