嘘から始まる恋
第1章
最悪な出会い
「遅い…」
「ご、ごめんなさい…」
軽く睨まれ、私は小さく縮こまった。
「荷物、持って」
「あ、うん」
学校鞄を受け取り歩き出す。
空は青く雲ひとつない。
「あ、あの足…大丈夫ですか?」
松葉杖をついて隣を歩く彼に目を向ける。
「…大丈夫じゃないから、松葉杖ついてんだよ」
呆れたように言われる。
「そう、ですよね…」
はぁ〜…と小さく溜め息をつく。
事の発端は昨日の放課後。
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