嘘から始まる恋
「弁当」
そう言って私からお弁当箱ごと取り上げた。
「ちょっ、返してよ」
私のお昼がなくなるじゃん!
「お前はこれ食え」
ポンッと机にほられる。
「メロンパン…?」
「ごっそうさん」
はい、と空になったお弁当箱を返される。
食べるの早過ぎるでしょ。
「メロンパン嫌い?嫌いでも食え。命令」
「…嫌いじゃないよ」
やっぱり成瀬くんが分からない。
意地悪だけど、時々優しい気がする。
メロンパン食べるの命令だけど。