贈る言葉

「行っちゃいましたねぇ」

「仕方ない……。我慢しない性格だから」


取り残された二人の少女。未だ落ち着きを見せぬ会場の中、パイプ椅子から離れようとしない。

「それより、どうする……?」

「そうですねぇ、このままここに居ても、めんどくさい事になりそうですし……」


「それやったら、この騒ぎに乗じて、三人でトンズラするか」


笑顔(というよりもやけくそに近い苦笑い)で現れた榊原。僅か小一時間の間に髪は乱れ、ずいぶん老けたご様子。茜と遥かも気が付きはしたが、小さく「あ……」とだけ声を漏らしただけで指摘できなかった。


「いいんですか? 担任教師なのですから詰問されるべきなのでは?」

「知るか。悪いんは、あのクソガキや。うちが責められる道理がわからんわ」

既に教頭あたりから責任問題を問われたのかもしれない。目尻が釣り上がり、苛立ちが見てとれる。


「なはは……。それはそれは……」

さすがの茜も乾いた笑しか出来ないくらいに。

「阿呆どもが来る前に、うちらも行くで。また騒がれたら堪らんわ」


取り残された三人の少女(笑)。未だ落ち着きを見せぬ会場の中、パイプ椅子からこっそりと離れ、三人は逃げ出した。

憎き元凶を追い求めて。


「待っとれよ、クソガキィ~……」

< 11 / 11 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

【雑記】執事の手帳【ネタ】
伝達者/著

総文字数/2,593

その他9ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
四天王の座を手にした 伝達者こと 執事の凛 はたして彼の 真の目的とは……!?
野良夜行
伝達者/著

総文字数/6,389

ファンタジー13ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
ある月夜 彼は目を開けると 見知らぬ少女に 看病されていた 周りを見渡すと 妖怪集団「野良夜行」 と名乗る 見知らぬ男女 何が起こったのか 思い出そうにも 何も思い出せない 状況も 自分の名前さえも 記憶喪失に なってしまった 彼と 妖怪を名乗る 野良夜行 そんな彼らの 小さな 友情物語
戯れ人共の奇談書
伝達者/著

総文字数/33,250

ファンタジー62ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
――道化師 それは選ばれなかった者達。 彼らは神に嫌われた代わりに、 一つの能力を身につけた。 ――能力の起源は等価交換 一を得るなら、一を失う。 逆もまた然り。 しかし、 失う事を恐れてはいけない。 その先には得るものが あるのだから。 著 ウェス・ハーヴェスト

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop