美女と珍獣


「うん。じゃ、アサカは、そう呼んで」

「はいっ!」


あたしが笑顔で返事をすると、よしよしと頭を撫でてくる珍獣さん。


「な、なんですか?」


突然のことに、あたしがちょっと顔を赤くしながら聞くと、ふっと小さく笑う息づかい。


「アサカ、かわいー。

……俺の、ペット、みたい」


「ぺ、ペット!?」


目を丸くするあたしにかまわず、尚もくしゃくしゃと髪をかき乱してくる珍獣さん。

表情は伺えないけど、何となく嬉しそう。



な、なんだかとても変わった人だな。

あたしは改めてそう思った。



着ぐるみだし。

着ぐるみに名前付けてるっぽいし。


なんかカタコトだし。

よくわかんないけど大豪邸にお住まいだし。


お水系(仮)の知り合いもいるし。







何はともあれ、美奈が日本に帰ってくるまで。




あたしと珍獣さんの、奇妙な共同生活が幕を開けた。





< 14 / 51 >

この作品をシェア

pagetop