君がいた。
「え・・・本当にあの咲?」
私は驚きを隠せなかった。


私と咲は 小学校からずっと一緒だった。
小学2年生の時に咲が隣に引っ越してきたのだ。
私達は いつも一緒に遊んでいた。

それは引っ越してきた日の事。
急に家のチャイムを連続で鳴らされ、親が二人共仕事に行っていたためビクビクしながら出た私が見た物は・・・・
男の子。
黒髪の元気がある明るい男の子。
その子は私が玄関のドアを開けると 私を見てニパーッと笑い『遊ぼ?』
と言った。
『・・・・は?』
私はいきなりの言葉に疑問符を浮かべるしかなかった。


これが私と咲の初めての出会い。
なんとも 面白い出会い方。
そんな咲が今 目の前にいる。
「ひっさしぶり~!!咲、元気だった?」
私は 嬉しくなり思わず声をあげる。
「元気だっつ―の!瑠璃は?元気か?」
咲も 笑顔で私に言った。
「えぇ~また出会うなんて・・・嬉しい。」
私が素直に喜ぶと咲は顔を少し赤くした。
「そぅ・・・だな。俺も嬉しいよ。そういや瑠璃さ・・・」
「?」
「可愛くなったな。」
「!」
再会の喜びを分かち合っていた所に急に咲がフライングをした。
そのフライングに私の顔はみるみる赤く染まっていった。
「な・・・な・・・な、に・・・言って・・・・。」
私がオロオロしていると咲は ぷっ!と吹き出した。
「な、なんで笑うのよ!」
私がそう言うと咲は「わりィ」と謝りながら まだ笑っていた。
絶対 悪いと思ってないし。
何はともあれ
緊張していたのに咲とであってほぐれたかも。
私はホッと息をつき咲と一緒に校舎に入った。
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