キスして☆イケメンな彼


「あっ、はじめまして」

と、私は笑顔を作りながら言った。

「まだ自己紹介してなかったよね?」

前髪がサラッと揺れる。

「あ、はい」

私は目線を落としながら返事した。

「じゃあ…、名前だけ聞いてもいい?」

そういった浅野恵の言葉で私はハッとした。


そうだ、私も何か自己紹介…
考えなくちゃいけなかったんだった。

部活…は、入ってないし。


趣味?…うーん趣味は…

何?

妄想?…ってダメだよなぁ、さすがに。


私は頭をぐるぐるさせながら、考えた。


「あの…名前は?」


と二回目の質問に私はハッとした。


「あっ、幸乃です。小田切幸乃」

誰かに自分の名前をフルネームで言ったのは

なんだか久しぶりだった。


「幸乃ちゃんね、よろしく」

さっきより目がちっちゃくなって

頬が上がって私でも惚れちゃうくらい可愛い顔で笑った。


「よろしくお願いします…っ」


初めての他校のお友達…っ!!



という感動にも襲われた。

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