冬のための夢
出会い

プラットホーム

守は毎日、予備校に通いただ席に座り、ノートを取り、ゲーセンに顔を出し、忠士と憎まれ口を叩き、アパートに帰り自己嫌悪に落ち込んだ。
             
取ったノートなど見はしなかった。
            
たまに勉強したい気分になった時は進められるままに参考書を買ってきた。

「すぐ出る英単語」

「古文必勝文法」

「理屈で覚える日本史」

この類の本はもう何十冊もアパートの中にある。

買った参考書の1ページ、2ページを開いては勉強した気になっていた。
                   
もちろん、最後までやりとげた参考書などなかった。大体は1週間もすれば絨毯に置かれた山済みのゴミと同じ扱いになっていた。



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