冬のための夢

部屋

現国の参考書に載っていた写真、メガネをした作家が本やクシャクシャにまるめた原稿用紙にうずもれながら、小説を書いている。
戦後間近の写真で白黒だった。

守のアパートもそんな汚れた部屋だ。
ただ違う点を一つだけ言えば
写真に写っている作家の目はとても飢えているのに対し、守は飢えてはいなかった。

この部屋に暮らし初めて1年を越えた。
掃除は1週間に一遍はやっていた。何故ならそうしなければ本当に足を置く場所すらなくなるのだ。

カップ麺の殻

Tシャツ

ジーンズ

アダルトな週刊誌

丸めたテッシュペーパー

今日もそんなものが床一面にばらまかれていた。

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