重力地獄の決闘

「この環境であれだけ動けるプロテクタースーツがあるとはな」

 センサーがフルに使えないこの砂漠ではミサイルはともかく、誘導機雷は目標が小さすぎて、ロックオンできない。

 対応できるのはパルスレーザー機銃と50センチブラスターだけだった。

 ロックウェルは指揮卓の地形図とマックの移動ラインを睨みながら、思索した。

 少し、賭けになるがやるしかないか。

 あまり長引くと、作戦の経済効果ラインを割ってしまう。現在の戦力と状況で算出されるそのラインが刻1刻と迫っている。

 このタイムリミットを過ぎると、例え敵の排除に成功しても、作戦による経済効果は無くなってしまう。

 あくまで企業兵の作戦は、利益を上げる為にあるのだ。

 最悪、ポリス……汎ソル文明圏治安機構の介入にもなれば企業は兵を切り捨てるだろう。

「奴の回避パターンは把握できてるな」

「はい、7割の予測が可能です」

「それだけあれば充分だな」

 ロックウェルは地形図に目を走らせ、その場所を決め指示を出した。
< 101 / 113 >

この作品をシェア

pagetop