重力地獄の決闘
 マックがS・PACのスイッチを押すと、『ZEROコーティング』がスタンバイ状態となる。

 そして、彼が、『ZEROコーティング』と叫ぶと、そのときの脳波が増幅され、1種のテレパシーとなって、ジャッカルにある『ZERO粒子再生コーティング瞬送機』に届き、そこから疑似物質であるZERO粒子が瞬送されてマックの身体に吸い付き、ハイパー・ウェポンスーツZEROに再生するのだった。

 ZERO粒子とは、ある特定の人間の脳波にだけ反応し、その脳波のパターンで変形する物質であり、あらかじめプログラムされた形に再生し疑似物質となる。

 この疑似物質は、プログラムが精密であればある程忠実に再生された物の特性や性能を再現できた。

 その再生時間は、基準歴で約1時間、連続で『ZEROコーティング』する場合、基準歴で十分間の間隔を置かないと再生能力が回復しない。

 しかも、膨大なエネルギーを消費し経費が掛かり過ぎるので、出来れば使いたくないシステムだった。

 今回はそれに加えて、高重力下であるため、通常よりエネルギー消費が激しく、再生時間が基準歴で30分もつかどうかだった。
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