Evening
夜の学校
「やっと、高校生になったんだな」

隣で自転車をこいでいる友達がうれしそうに話しかけて来た。

「そうだね、高橋君うれしそうだね」

「あたりまえだろ?優はうれしくないの?」

「んん...そうだね..うれしいよ」

わざとらしい笑顔を作って見せた。

内心は薄い恐怖感があった。
自分は人とのコミュニケーションは得意ではない。
中学の友達がいない分けじゃない、でもそれは学校が田舎でクラス総数も少なかったからだろう。

もし、自分が都会の何百人と集まるマンモス学校にいたらイベント事の班決めで、こんなやつクラスにいたっけ?的な存在になっていたと思う。


「ライト、壊れてんの?」

え?と自分がこいでいる自転車の前輪をのぞいた。

ライトが宙ぶらりんとしている。
今にも取れそうだ。


「うわ、やばい。今気がついた」


クラスは違ったけど高橋君は中学が一緒だった。
部活も同じで少し話もした。
でも一年の三学期あたりから顔を見なくなった。

部活仲間に聞いた話によると部活の先輩が嫌だから、だったらしい。
そのあとの関わりはほとんどなかった。


「高校、可愛い子いるかなぁ」

高橋君は遠くを見て言った。



高橋君と親しく話をしたのは今日が初めてだった。
同じ高校に通う事が決まり、一緒に通学しよう。
と、いうことになって今日が初日。


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