光の子

空っぽ




広香たちが住む安アパートの部屋は、昼でも室内が薄暗い。


早番だった母は、勤め先のパン屋から、二時に帰宅した。


修学旅行へ送り出したはずの娘が部屋にいるのを見た母は、

驚きはしたものの、落ち着いた様子で、広香に理由を尋ねた。


広香は、矢楚の身に起きたことと、
それを知って旅行へ行くことができなかった自分の胸のうちを話した。





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