シュガースパイスな君
「駄目なのか?」

「恥ずかしいでしょ!」

「絶対その事はいっちゃダメだよ!!!」

「なんで?」

「恥ずかしい!」

「あっそ、おれと結婚してることはそんなに恥ずかしいのかよ。」
「いや…そんなんじゃないの!」

「んなこと、どうでもいんだよ…。じゃあな」

と言って、大地は教室に戻る。
あたしも教室に戻る。

既に席に着いた大地を見ると、女の子と笑ってる大地…。

―――ズキッ

……なんだろう?ズキッって…
なんであたし……泣いてるんだろう…?

そこに居たくなくて、逃げ出した。行き先は決めてない。この辺りは昨日来たばかりだから何も知らない。

―――――――――…

気付いたら、電車に乗ってた。

なんとなく、ケータイのディスプレイを見ると、着歴には《大地》の文字がたくさん。電話をする気にもなれず、外部のトレース(追跡)を避けるためにあたしは、ケータイの電源をきって登校してから1度も手放していない鞄の奥底に眠らせた。


……なんで?
なんで大地はこんなに期待させるようなことするの?
もう、あたしに呆れたんでしょ?愛想尽かしたんじゃないの?
何がしたいの?
もう、やめて……。
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