シュガースパイスな君
「琥珀様が失礼しました。琥珀様をこちらへ。」

琥珀は珊って人の言葉を聞くと、おれの服を掴む。そんな琥珀を見ておれは

「心遣いありがとう。でも琥珀はおれが抱えてもいいかな?」

琥珀は息苦しそうにしながら、笑った。

それから琥珀の広い寝室に入り琥珀を天蓋付きのベッドに寝かせる。その時に琥珀は言った。

「…例え、命を捨ててでも守りたかったものを失っても、自棄にならず、生きてください。

“命を捨ててでも”

ではいけない。女性は…少なくとも私は

“自分の為に人が命を手放す。自分のせいで人が命を手放す”

事を、望んではいません。…つらくても…どうか“愛”に生きて。
愛する人の死を望まないのは、いつの時代のどこの人も同じはずです…。
手間を掛けてすみませんでした。
飛(フェイ)彼を…送って…。」

おれは、菖蒲が死んだ時くらい…それ以上くらいの涙を流した。

「大地…案ずるな。あなたは独りではない。決して独りではない。」

琥珀の言葉におれは目醒めたんだ。

――――…
【琥珀Side】

「ありがとう。琥珀…」
「あたしはただ…大地が心配だったの…無闇に触れたら壊れそうな瞳をしてたから…」
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