オレンジ色の校舎





「まぁ、それでも相手に自分の気持ちを伝える勇気があったから、今の浅井達や俺達がいるってことだよなっ!」



たっちーにしては哲学的な言葉。麻衣といるうちに、内側から成長るのかも。



「浅井も朱希といつまでも続くといいな!」



「たっちーは麻衣にフラれなければいいね」



「……浅井ー」



たっちーをからかうのは面白い。でも、麻衣の彼氏だからちょっとはやめなき…



ガラッ



教室のドアが開いた。同時にドアへ目を向けると、麻衣が立っていた。



「麻衣おかえりっ」



「麻衣待ってたぞーっ!」



「待ってたわりには賑やかな話し声がしたけど?」



んんん?これってヤキモチ?やだなぁ、麻衣ってばそんなに妬かなくて…



「たっちー、あたしが出した課題はちゃんと終わったわけ?」



前言撤回。麻衣は妬いていたわけではなく…怒っていた。



「あ…は、は…いいえ」



「どっち?」






< 397 / 574 >

この作品をシェア

pagetop