オレンジ色の校舎

あたしは瀬川くんの広い後ろ姿を見つめたまま、瀬川くんの言葉を待った。



今から…何を言われるんだろう？



「浅井…」



「は、はい」



「俺…今は無理なんだ」



え？



「俺が逃げてるだけなのかもしれないけど、今…浅井と話しても、余計に浅井を傷つける」



「せ…瀬川く…」



「ごめん、少し距離、置こう」



一瞬にして瀬川くんの背中以外、何も見えなくなった。



「少しだけ整理する時間をくれ。……そしたらちゃんと話すから」



あたしの頭がついていかない。整理する？時間？



「………ごめん」



そう言い残して、あたしを見向きもせずに校舎へと走り出した瀬川くん。



ごめんって何？



どうして…あたしを見てくれないの？



「一方的じゃわかんないよぉ…」



話して早く仲直りがしたかった。バカだな浅井、って笑ってほしかったのに。