オレンジ色の校舎





「そうかな?」



「そうよ。…じゃああたしは外に行ってくるから」



「え!?あたし1人に…」



「ほら、旦那サマが帰ってきたじゃない」



入り口を指差す麻衣。そこには疲れきった瀬川くんがいた。



「ったくどこ行ったんだ?カズ、逃げ足速すぎなんだよ」



瀬川くんが入ってくるのと同時に麻衣は反対側の入り口から出ていった。



「あ、浅井…」



「あ……あはは」



キスをしたことがフラッシュバックして、瀬川くんが上手く見れない。



「あの…さっきはごめんな」



「ううん」



「カズと浅井がキ…キスしたって聞いて、いてもたってもいられなくて…」



肩身を狭くしながら話す瀬川くんが可愛く見えた。






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