ずっと、見ていたい

近くなった距離



「おーい、」


その声で目を開けた俺。

重い瞼に覚えてない記憶からするといつのまにか寝てたらしい。



「やっと起きた。お前が来ないから、サボってきたんだぞ」


自慢げに言う健二から見ると
確実にサボりたかったからサボったのだろう。



『ってぇ。頭痛ぇ』


「そりゃ壁に首預けたら痛くなるって」


そう言って、俺の横に座った健二。



「また告白だったか?」


『あー…ああ』


頭から消えかかってた。


「お前だけずりーよ!!俺も女を選びてえ」


唇を尖んがらせて言う健二に苦笑いが零れる。


っていうか

『…健二は彼女居んだろ』


健二には彼女が居る。



別に可愛いって訳じゃない。

ただ筋のある女で、莉音ちゃんの友達。



「まあなー」



そう言って後ろの髪を触る。


健二が自慢げに言う時の癖である。



< 11 / 20 >

この作品をシェア

pagetop