time-is-money.



「小夜???」



あまりにも不安そうな声で
私を呼ぶ声にはっとして、
現実なんだと
変に胸が高鳴った。
それからすぐに
きぃの声が震えていたことを
思い出して。


今まで考えてたことなんか
無かったかのように
いつの間にか
私は携帯を耳に当てて


「うん、小夜だよ。」

なんて口走っていた。


それでもきぃは
私を呼ぶことをやめないから
何度も何度も
バカみたいに返事をした。



だってきぃの声が
私を求めてるから。
だってきぃが
返事をする度
声色を変えるから。


私が返事をするだけで
きぃが喜んでくれるなら
何百回だってしてあげたい。



...不安にさせたのは
私だけど。



「小夜。」


「なに-??」


こんなことを
繰り返してる間にだんだん
2人で可笑しくなってきて、
最後には笑いながら
やりとりをしだした。


あぁ。
やっぱりきぃの笑い声は
好きだな、
なんて思ってたら。


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