大人と子供の境目で
思い出。

バレーボールと幻。

「優姫、なに見てんの?」


突然、名前を呼ばれ慌てて振り向く。


「何でもないよ。」


「絶対、嘘だぁ!」


窓から身を乗り出しながら言う瞳。


「男バレ見てたんだ。」


「まぁね。」


曖昧な返事を返す私。


「『まぁね。』って・・・。
でも、珍しいね、優姫が男の人見てるなんて。」


「そんなことないよ。」


いつも見てるよ、ここにはいないあの人のことを。


「ふーん。
我が、桜ノ宮大学に入学以来、美女コンテストで2年連続1位なのに男に興味ない、朝日奈 優姫の、ついに恋かぁ。」


「ち、違うってばぁ!」


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