alternativeⅡ
陸軍特殊作戦軍団フォートブラッグ基地
午前0時半。

ふと深夜にアレクセイは目を覚ます。

別段何かあって目覚めた訳ではない。

その時間に起きてしまったのは、ただの偶然に過ぎなかった。

夜更けのフォートブラッグ基地。

とはいえ完全に皆が寝静まっている訳ではない。

カーテンの隙間から、警戒の為の監視塔のサーチライトの明かりが時折差し込み、見張り役の兵士の軍靴の音が定期的に通り過ぎていく。

ここは軍事基地だ。

全ての者が寝静まる事などない。

AOKはいつ何時奇襲をかけてくるかわからない。

アサバスカ殲滅作戦で核攻撃を受けて以来、AOKも北米大陸には侵攻せずにいる。

人類の開発した兵器の中で、当時唯一AOKを死滅させる事のできた核兵器。

それを保有し、容赦なく集中運用したアメリカ軍に、少なからず恐れをなしているのだろうというのが国防総省の見解だった。

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