遠恋
第10章 Xmas


季節は冬。
肌寒い日が続く。

「こっち、雪降ったぁ」
「いいなぁ」

誠也の関西弁がうつってしまった、あたし。

「クリスマスだねっ」
「そやな。今年は一緒に過ごされへんな。」
「うん…」
「風邪ひくなよ?」
「はーい☆」

クリスマスといえば、カップルで過ごす人は多いと思う。
あたしも一緒に過ごしたいなぁ…なんて思うことがあった。

「そーいえば千夏、彼氏できたんだって~」
「あいつが?まあ、俺らには…かなわへんよな?もー、5ヶ月やし」

そう、あたしたちは、なんだかんだで5ヶ月付き合っている。
受験のこの時期、遠距離で付き合っているなんて人は少ないと思う。

「俺ら受験生やん?付き合ってていいんかな?」
「あたし別れないよ」
「でも普通は別れるやろ?勉強に集中したいとか言うて」
「………」
「樹衣?」

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