君に俺の目をあげる
慶太さんの元カノ「理美」は、ドアに手をかけるなり不機嫌そうに後部席に座り、何も口から発さない。


俺の真後ろ陣取る彼女。


彼女からなにやら小刻みな振動がじんわり伝わって来る。


見えはしないが、おそらくイラツキで足を揺すっているのだろう。


気も強そうだが、短気なのも間違いない。


会話もしてないし、内面なんてまだわからない。


でも、関わったらきっとこういう女は面倒くさい女だと思う。


車内はシーンと静まり返る。


そこは圧迫感があって、居心地が悪くやけに息苦しい。


誰かしゃべれよ。つかしゃべってくれ…


誰に頼んでんだって感じだが、藁にもすがる思いで念を込める俺。


と、願いは通じたのか何を思ったのか突然理美が俺に話しをかけてきた。


「うち理美。よろしくぅ~」


「あっ、ど~も~」


なんだこの会話は。


それも緊張して声裏返ってっし!


自分から願ったくせ不覚にも第一声で格好悪い失態をおかしてしまった俺に、理美は笑いをこらえている。


いっそ笑ってくれりゃこっちもリアクションとれるのに…


「あっ、ちょっと待って」
< 4 / 4 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

【好きだから別れて】

総文字数/216,850

恋愛(その他)355ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
男? んなもん信じるとバカみるっつうの。 家族? 血の繋がり? だから何? ~すさんでた心~ あなたに出逢ってしまったから あなたを知ってしまったから その時のあたしは 周りが見えないくらいあなた色に染まり 溶けてあなたの一部になりたかった 悠希 聞こえる? 歩 生きてるよ 第二回携帯小説大賞 読者投票数10位 第五章 「脱け殻 」まで編集しなおし完了 そこから先は文章なおしてませんので読むのストップで 毎日書き直しますんですいません
君にあたしの目をあげる

総文字数/2,144

その他8ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
本当の あたしは ここにいる 汚いままでいいよ あなたは 人間なんだから
【女を知りたきゃ読め】

総文字数/8,662

コメディ36ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
~女~  時に美しく ~女~  時に可憐に ~女~ 時に化けの皮を剥がす あなたの周りにいる女性は素敵に輝いてますか? あたしが知る女 それはそれは… (これは小説ではなくコラム系?笑いたいだけですから)

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop