Voice

12.『メロディー』への希望

♪12♪





梓は勢いよく立ち上がって言った。




「な、なんだって?!

大変じゃないですか!!

今日が新曲の発表日だってのに…。

今日は、生放送で時間ないし、

予告CMも、ガンガン流れてますよ!

中止とか、延期って訳には、

いきませんよ?!」




梓の訴えに、社長は、

うなだれながら、答えた。




「…あぁ。わかってる。

今日は、絶対に中止なんか出来ない。

…とは言え、代役も、立てていないし。


おい!!

誰か事務所で、

今日空いている、

ピアノ弾ける女の子は、いないのか?」



社長は、事務所のスタッフに聞いた。



そのスタッフは、すぐに、事務所と連絡をとって、

電話を切り終えて言った。



「はい。今、事務所に問い合わせた所、

キャサリーがいました!」





き、キャサリー?!すごい名前!!

[…人のこと言えないけど。(笑)]



社長は、椅子に座り唸った。




「…うーむ。キャサリーかぁ。

…あいつに、ピアノなんか、弾けたかなぁ。




…な~んて、贅沢なんか、言ってられないか!!

よしっ。

キャサリーでもいい。


すぐに事務所へ帰って、リハーサルだ!」






社長は、最後らへん、

どうでもよくなったみたいだった。








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