Voice
「…ん~。
そうだなぁ…。
責めて、後一時間位は…。」
私がそう答えると、
社長は、
うなりながら、言った。
「ん~…。
一時間かぁ。
時間は、
あると言えばあるが…。
すると、
スタジオでのリハーサルは、
無理になるかもしれないな。
それでも、平気と言うなら…。」
社長は、
私と梓の顔を交互に見た。
…私は、
リハーサルなんて余裕無いし。
そっちの方が都合いい。
私は、梓を見た。
梓は、私をずっと見てたのか、
私が見るのを
待っていたように、
すぐ即答した。
「俺は、コイツに合わせます。
リハーサルなら、
ここで軽くやればいいし。」
社長は、決心したように頷いた。
「よしっ!!
わかった!!
そうするように手配をしよう!
美紀ちゃん!
頼んだよ。」
社長が、そう言うと、
ざわざわと周りも動き出した。