Voice
すると、社長は首を振り、
目を輝かせて言った。
「何を言ってるんだ!
これは、『美紀』としての、
記念すべきデビューなんだよ?!
名前を売っておかないで、どうする?」
いや、ナイトだけで充分でしょ?!
…社長、一体、何考えてるの???
私が心の中で叫んでいると、
何も事情の
分かっていない梓が言った。
「はい、わかりました。
名前は”美紀”とかで、いいですか?」
「そう!!
もちろん”美紀”で!!
たのむよ!梓!!
しっかり宣伝しといてくれよ!!」
社長は、
念を押すように、そう言った。
ほ、本当に??
自分の名前でもデビューしちゃう訳?